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地方によって儀式が違うの?結婚式前に知っておきたい文化の違い

都心部では結婚式の前に独自の儀式を行うことは少なくなっているようです。しかし、今でも地方によっては昔ながらの儀式を重視しているところがたくさんあります。それだけでなく、場所が変われば結婚式の様子も大きく異なるのです。こちらでは、地方によって結婚式や結婚に関する儀式にどのような違いがあるのかをご紹介します。

北海道の結婚式は会費制

北海道の結婚式で最大の特徴は、会費があることです。招待状には日時と一緒に会費が明記されています。その代わりご祝儀は渡さないのが一般的です。結婚式が会費制になったのには、北海道の歴史が関係しています。

明治時代、北海道には開拓のために全国からたくさんの人が移住してきました。当時の住民は生活が厳しく、結婚式の準備をする余裕がありませんでした。そこで、周りの人が発起人となり、参列者から参加費を集めて結婚式を行います。これが会費制の始まりだといわれています。今でも北海道の結婚式は、新郎新婦がお客さんを招待するというよりも、お祝いをしたい方が集まるという意味合いが強いようです。新郎新婦はあまりプレッシャーを感じずに結婚式を行うことができます。

北海道には結婚に関する独自の風習は特にありません。結納も他の地方に比べて重視しておらず、行わないことが多くなっています。結婚式も結婚に関する儀式も、自由な雰囲気で行われることが多いのが北海道の結婚式の特徴です。

東北地方の結婚式は盛大

東北地方の結婚式は、盛大に行われる傾向にあります。東北地方では昔、結婚式が豪華で長いほどその家の力が示されると考えられていました。その名残で、現在でも新郎の実家や自宅で盛大な結婚式が行われています。

東北地方独自の風習には、「仏壇参り」と「花嫁迎え」があります。これは、結婚式の当日やその前に仲人が花嫁を自宅まで迎えに行き(花嫁迎え)、花嫁が花婿の家の仏壇にお参りする(仏壇参り)というものです。仏壇にお参りするのには、ご先祖様に結婚の報告をするという意味があります。

北陸地方ではゲストとの付き合いを大事にする

北陸地方では、付き合いを大切にするという考えから、結婚式の引き出物の内容が豪華な傾向にあります。全国的にゲストへのお土産は2~3品であることが多いですが、北陸地方ではメインの品・引き菓子・果物のかご盛り・赤飯・松の葉の5品を贈ります。福井県にいたっては、これに地域の特産品なども加えて7品も贈ります。

他にも特徴的なのは、「一生水」という儀式があることです。「一生水」では、花嫁が玄関で一升瓶にお米を入れ、その上に水の入った盃を置いて飲みます。「一升」と「一生」をかけて、一生その家の水が合うようにという意味を込めて行う儀式です。

関東地方は形にこだわらない結婚式が多い

関東地方は他地域に比べてキリスト教式の結婚式が多いのが特徴です。さまざまな地方からの出身者が集まる関東地方は、結婚式の形も幅広く、形式にこだわらない自由な結婚式が行われる傾向があります。

関東では結納を「交わす」と言います。この言葉にも現れているとおり、新郎宅と新婦宅が同格に見なされているのが関東の結婚です。関東には独自の風習はあまりありません。しかし、茨城県には花嫁が舟に乗って新郎がいる対岸に向かっていく「嫁入り舟」があります。茨城の潮来には昭和30年前半まで水路が形成されていたため、嫁入り前に花嫁や嫁入り道具をサッパ舟で運んでいました。それが由来となって「嫁入り舟」の風習ができたと言われます。

甲信・東海地方では派手な結婚式が多い

甲信・東海地方も人が集まる地域のため、さまざまなスタイルの結婚式が行われています。ただ、他県に比べると派手で豪華な式が多くなっています。中でも名古屋の結婚式は盛大です。装飾は豪華で、招待される方の数も多く、引き出物にはかなりお金がかけられています。それに加えて、女性側では膨大な嫁入り道具を用意し、男性側はそれらがすべて収まる新居を用意するため、中には結婚のためにローンを組む家もありました。ただし、結婚式の規模が全国的に小さくなっている現在は、名古屋の結婚式も控えめになってきているようです。

関西地方は婚礼文化始まりの地

関西地方は婚礼文化の始まりの地です。結婚式の受付で見られる、ご祝儀を載せる広蓋(ひろぶた)やご祝儀を包む袱紗(ふくさ)の文化は京都・奈良を中心に広まりました。

京都には「見合い扇子」と呼ばれる独自の風習があります。結婚前に男性が女性の家を訪れて女持ちの扇子の入った桐箱を白木台に載せ、さらに家紋入りの塗り台において袱紗をかけて差し出すというものです。女性側は承諾する印として扇子を受け取り、お返しに用意しておいた男持の扇子を贈ります。

関西では、関東と違い結納を「納める」といいます。新郎宅の方が格上と見なされているため、結納返しを行わないからです。ただ、挙式料は折半で、披露宴費用は招待した人数に合わせて負担することが多くなっています。

中国地方では縁起を大切にした結婚式を行う

中国地方の結婚式は神前式が多く、武家文化のしきたりが残っているのが特徴です。披露宴では基本的に男性側が女性側をもてなします。

高知県の一部では仲人夫婦もしくは男性側の両親が酒と鯛を女性宅へ届ける「したなまぐさ」という儀式を行います。また、広島の一部地域には、嫁いだ家から動かないようにという願いを込めて、縁起物としてお地蔵さんを座らせる風習があります。

四国地方には昔ながらの風習が残っている

四国の結婚式には古い風習が残っています。代表的なのは徳島県の「初歩き」という風習です。初歩きでは、花嫁が結婚式の朝に白無垢で花婿の家へ勝手口から入り、仏壇と花婿の両親に挨拶をします。その後、色打掛に着替えて玄関から出て、姑と一緒にご近所へ挨拶回りをするといった儀式です。他の県ではこれを仏壇参りと呼ぶこともあります。最近では着物を着付けできる家が少なくなったため、この儀式はあまり行われなくなりました。

その他にも、香川には結納の前の段階で行う「投げ入れ」という風習があります。これは、お見合いの当日、結婚の意志が決まった時に女性に金一封を贈るというものです。昔は嫁ぎ先で「一生」過ごせるようにという意味で「一升」瓶を贈っていましたが、現在は現金に変わりました。しかし、今でも名残で包みに「竹葉料(酒肴料の意味)」と書くしきたりが残っています。

九州地方の結婚式はカジュアルな傾向

九州地方では結婚式場やホテルで結婚式を行うのが一般的です。参列者は平服で出席することが多く、若者の多い結婚式では特にその傾向が強まります。費用は男性側が多めに負担することが多くなっています。

独自の風習には、福岡県から佐賀県にかけての背振地方で行う、生家との別れの儀式「ウッタチご膳(ウッタチ祝)」があります。祝膳を用意して親子・兄妹で別れの盃を取り交わし、花嫁が家を出る時に今まで使っていたお茶碗を割るというものです。この儀式には「花嫁が戻ってくることがないように」という願いが込められています。

沖縄の結婚式は大人数で盛大に祝う

沖縄の結婚式は大変盛大に行われます。結納の段階で親族が出席し、披露宴の出席者にいたっては数百人も参加します。一般の方でも300人程のお客さんが集まるのは沖縄ではよくあることです。大規模に行われるため、司会者はプロに任せることがほとんどです。

また、余興も大変力を入れていて、専用のステージが用意されることもあります。沖縄には「カチャーシー」というおめでたい席で踊る踊りがあります。結婚式でも式の最後になると全員でカチャーシーを踊るのが一般的です。

沖縄では遠方に住んでいない限り招待状は手渡しするのが基本で、渡す時に出席できるかどうかの確認も一緒に行います。ただ、当日には招待状をもらっていなくても参加するという方もよくいます。盛大かつ大らかな雰囲気で行われるのが沖縄の結婚式です。

おわりに

結婚式で伝統を大事にきっちりと行うところもあれば、細かいルールにはこだわらず和やかに行うところもあり、日本国内でも結婚式の文化はさまざまです。違う地域出身の方と結婚する場合は、地域による差を理解していないと、思わぬところで相手や相手の両親と衝突してしまうかもしれません。結婚式の前に、お互いの地域の文化を理解しておきましょう。