日本の結婚式に参加したことのあるシンガポリアン女子のみなさんは、式の最後に花嫁さんが両親に向けた手紙を読むのを見たことがないでしょうか?
シンガポールではあまり見かけない、珍しい光景に感じられるかもしれません。実はこれは、日本の結婚式では定番の演出なのです。
今回は、シンガポリアン女子が日本で挙式するときにオススメしたい、「花嫁の手紙」の演出をご紹介します!
結婚式のフィナーレを飾る「花嫁の手紙」
日本の結婚式では定番の演出である「花嫁の手紙」。ゲストが美味しいお料理を楽しみ、花嫁さんのキレイな衣装を見て楽しみ、おふたりをよく知る友人からお祝いのメッセージを聞き、おふたりの子どもの頃の写真やビデオに思わず笑顔になる……そんな素敵な結婚式のフィナーレに行われることの多い演出です。
「花嫁の手紙」では、これまで大切に育ててくれた両親への感謝の気持ちや、これから新たに家庭を築くことへの決意などが読み上げられます。手紙を書いた花嫁さんだけでなく、手紙を受け取るご両親はもちろん、参加されたゲストがもらい泣きしてしまうこともあります。
「小さい頃、風邪をひくと寝ずに看病してくれたこと」「頑張って練習して運動会で二人三脚で一緒に走ったこと」「受験のときに毎晩美味しい夜食を作ってくれたこと」など、そこで読み上げられるエピソードは、花嫁さんとご両親が紡いできた家族の歴史です。ひとつひとつが積み重なって今につながっています。
親から子への愛情、子から親への感謝──ゲストが「花嫁の手紙」に涙してしまうのは、そこに自分たちの姿も見るからです。娘としてのご両親への「ありがとう」を、あなたも手紙にしてみませんか?
「花嫁の手紙」を書くときのポイント
「花嫁の手紙」を書いてみたいけれども、日本語で文章を書くのはちょっと苦手……そんな花嫁さんも心配はいりません。感謝の気持ちを伝える手紙に、テクニックはいらないのです。ご両親への感謝を自分の言葉で伝え、ゲストにこれからの新郎新婦を応援していただくために、ご自身の素直な気持ちを書いてみましょう!
たとえば、「病気で寝込んでいたとき、心細かったけれど、お母さんが看病してくれて元気になったよ!」「ずっと進路で悩んでいたけれど、お父さんが“自分の好きな道に進みなさい”と言ってくれたおかげで、今の仕事に進む決心がつきました」など、具体的なエピソードや気持ちを盛り込んでみてください。
ご両親はもちろん、事情を知らないゲストにもそのときの状況をわかりやすく伝えることができ、聞いている人は情景を想像しやすくなるでしょう。ご両親やゲストに伝えたいことと、そのためのエピソードを2~3つ箇条書きにして、そこへ肉付けするような形にすると書きやすいかもしれません。
花嫁さんがそのときどう思ったのか、今はどんな気持ちでいるのか……かっこいい言葉を使おうとしなくても問題ありません。愛する人と巡り会い、たくさんの人に祝福されて新生活への第一歩を踏み出せるのも、あなたをこんな素敵な女性に育ててくれたご両親のおかげ。大切なご両親のことをゲストのみなさんに自慢してみても良いでしょう。愛情たっぷりに育ててくれたから、愛される人間に育ったのです。
普段は面と向かって「ありがとう」というのは照れてしまう方も、手紙を書くのは少し面倒だと思っている方も、飾らない素直な気持ちを手紙にしてみましょう。ただし、伝えたいことがたくさんあるからといって、あまり手紙が長くなりすぎないようにお気をつけください。読んだときに2〜3分くらい、400字詰原稿用紙2~3枚くらいにおさめるのが目安です。
手紙と一緒に渡したいギフト
日本の結婚式では、「花嫁の手紙」を読み終えた後に花束を贈呈するのが主流ですが、最近では花束以外のプレゼントも豊富にあります。
特に可愛いらしいのがウェイトドール。こちらは、花嫁さんが生まれたときの体重と同じ重さで作った人形です。受け取ったご両親は「最初はこんなに小さかったんだ……!」と懐かしく、切ない気持ちになることでしょう。結婚式が終わった後も、ご自宅に飾っておくことができるギフトです。
また、ウェイトドールと似ているものに、生まれたときの体重と同じ重さのお米をプレゼントする「体重米」もあります。日本ならではのギフトを贈りたい花嫁さんは、ぜひギフトに選んでみてください。
手紙を音読するときのコツ
結婚式でたくさんのゲストがいる前で手紙を読むのは緊張してしまうかもしれません。しかし、「花嫁の手紙」アナウンサーのように上手に読まなければいけないわけではありません。手紙を音読するのには、いくつかの簡単なコツがあります。
まずは、聞き取りやすいようにゆっくり読みましょう。緊張や照れから、つい早口になってしまう花嫁さんが多いため、当日は気をつけましょう。演出中のBGMは、手紙の雰囲気を邪魔しない、インストゥルメンタルの曲がおすすめです。
花嫁さんが手紙を読んでいるうちに感極まって、涙で読めなくなってしまうのはよくあること。そんなときは、涙を拭いて読み続けるか、代わりに新郎に読んでもらうなど、助けてもらっても問題ありません。
海外の結婚式では行われないこともある「花嫁の手紙」。これまでお世話になったご両親へ感謝の気持ちを伝えるとともに、新しい一歩を踏み出すおふたりから、ゲストのみなさんへご挨拶をしましょう。大切な気持ちを手紙に残して、ぜひ結婚式の大切な思い出に加えてください!