新郎新婦の“幸せのおすそ分け”として行われるのがブーケトスです。結婚式の終盤を盛り上げられる定番の儀式ですが、生花のブーケは重く壊れやすいため、気をつけて扱いましょう。また、ブーケトスに抵抗があるゲストがいる可能性もあるため、配慮の必要があるかもしれません。こちらでは、ブーケトスの注意点や演出方法についてお伝えします。
ブーケトスとは?
ブーケトスとは、結婚式の終盤で行われる儀式です。花嫁がゲストへ背を向けるように立ち、後ろへ向かってブーケを投げます。花嫁が投げたブーケをキャッチした女性は、次に結婚できると言われています。
ブーケトスの由来は、14世紀のイギリスの風習です。当時は花嫁の幸せにあやかるために、ゲストが花嫁のブーケやドレスなどの小物を取っていってしまうことがありました。それを防ぐために、花嫁からブーケを投げる風習が生まれたとされています。
ブーケトスはヨーロッパで生まれた風習であるため、教会式のウエディングと相性が良くなります。和婚でもブーケトスを行うことはありますが、和装で後ろ向けに花束を投げる動作をするのはやや難しいかもしれません。
ブーケを投げるときの注意点
ブーケトスをする際は、以下の点に注意しましょう。
- できるだけ広いスペースを用意する
ブーケを投げるためには、ある程度の広いスペースが必要です。一般的なブーケトスは、挙式の後に屋外で投げるケースが多くなります。ただし、屋外の場合は悪天候により中止になってしまうおそれがあります。確実にブーケトスをしたいなら、屋内でブーケを投げられる式場を選びましょう。
- 投げやすいブーケを使う
結婚式で花嫁さんが持つブーケの多くは、ワイヤー・スポンジ・接着剤を使って繊細に作られています。投げたときの衝撃で崩れてしまったり、ワイヤー部分が参加者に当たってしまったりする構造のものは、ブーケトスには向いていません。クラッチブーケのようなワイヤーを使わない軽めのブーケが適しています。
また、ブーケトス用の花束に持ち替える花嫁さんも多くいらっしゃいます。可能であれば、ブーケトスのときは軽くて壊れにくいブーケを使うと安心です。
- 参加者には近くに集まってもらう
ブーケはあまり遠くまで飛びません。投げた花束がゲストに届くように、参加者には花嫁から近いところに立ってもらってください。また、ブーケを投げるのは意外と難しいため、当日までに練習しておくと安心です。どのくらい遠くへ飛ぶかもチェックしておきましょう。
参加者に配慮しよう
ブーケトスは未婚女性に対して行われるため、ゲストの中には抵抗を感じる方もいらっしゃいます。参加は自由にして無理強いしないようにしましょう。
事前にブーケトスを行うと知らせておき、参加者を決めておくのもおすすめです。サプライズで行うと盛り上がりますが、参加者が十分に集まらない可能性もあります。演出を盛り上げたいときは、あらかじめ対象者を決めておきましょう。
また、未婚女性に限らず、男性や子どもも集まってブーケトスを行えば、会場全体で盛り上がれます。対象者が少ない場合は、ぜひゲスト全員を集めて行ってみてください。
ブーケトスとよく似た演出
ブーケ以外にも、ガーターベルトやブートニアを投げる演出もあります。最後に、ブーケトスとよく似た演出の例をいくつかご紹介します。
- ガータートス
花嫁の左足に着けているガーターリングを花婿が外し、ゲストに向かって投げるという二次会向きの演出です。ブーケトスと同じように、後ろを向いて誰が受け取るのか分からない状態で投げます。しかし、中には品がないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に年配のゲストが多い結婚式では注意が必要です。
- ブートニアトス
花婿の胸元に着けているブートニアを未婚の男性に向けて投げる演出です。ブーケトスと合わせて行われるケースが多くなります。ただし、ブートニアは小さく見落としやすいため、なくさないように気をつけましょう。
- ブロッコリートス
新郎がブロッコリーを未婚男性に向けて投げる演出です。ブロッコリーには幸せの象徴の意味があり、キャッチした方は次に結婚できると言われています。
- ウェルカムドールトス
ウェルカムドールを投げる演出も人気です。ぬいぐるみであれば投げやすく、当たっても痛くありません。大人から子どもまで誰でも参加できるのもメリットです。
- ゆかりの品トス
そのほかにも、新郎新婦にゆかりのあるものを投げる演出があります。投げても安全なものを選んでゲストにキャッチしてもらいましょう。
- くじ方式で行うブーケプルズ
ブーケを投げるのではなく、紐やリボンを付けて未婚女性に引っ張ってもらう「ブーケプルズ」という演出もあります。当たり紐だけがブーケとつながっており、残りの紐は引っ張ると抜ける仕組みになっています。
ブーケプルズであればブーケが壊れてしまう心配がありません。式で持っていたブーケをそのまま使えます。また、花嫁さんの衣装が崩れることもないため、和婚にもおすすめです。ブーケトスを行うのが難しい場合は、ブーケプルズを行ってみましょう。
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ブーケトスの由来は、14世紀のイギリスの風習だと考えられています。幸せのおすそ分けをする意味で、花嫁が式の最中に持っていたブーケをゲストに向かって投げます。行う際はトラブルが起きないように、広いスペースでトス用に作られたブーケを投げるようにしてください。安全な方法でブーケトスをして、思い出に残る演出にしましょう!